膝が痛いのに、なぜ足首を見るのか?|体の『かばい癖』を確認する理由
「歩くと膝が痛い。階段は、手すりがないと怖い」
「膝が腫れているような、水がたまっているような感じが、何か月も取れない」
そんな状態でご相談に来られる方がいらっしゃいます。
膝が痛ければ、普通は膝に原因があると思いますよね。 ところが当サロンでは、膝を触る前に足首や骨盤を確認することがあります。
痛い場所が、悪い場所とは限らないからです。 この記事では、実際に膝の方をどのような順番で見ているのかと、 その理由をお伝えします。
最初に確認
この記事の結論
- 強い腫れや熱感、膝が動かなくなる感じがある場合は、整体より医療機関を優先します。
- 痛い場所は「被害者」かもしれません。悪い場所とは限りません。
- 当サロンでは、体に染みついた「かばい癖」を確認します。
- どこが休んでいて、どこが頑張りすぎているのかを探していきます。
- 「ここが原因です」と決めつけず、整えた後の反応で確かめます。
受診目安
整体より、医療機関を優先したい状態
次のような状態がある場合は、整体で様子を見るのではなく、 医療機関での確認を優先してください。
- 転倒や事故のあとから痛みが出て、体重をかけられない
- 膝に強い腫れ、熱っぽさ、赤みがある
- 膝が途中で引っかかって伸びなくなる、動かせなくなることがある
- 膝の形が変わってきたように見える
- 発熱を伴っている
- ふくらはぎが急に腫れてきた、息苦しさがある
最後のふくらはぎの急な腫れと息苦しさは、緊急性が高い状態が隠れていることがあります。 その場合は「早めに」ではなく、すぐに救急相談や受診をご検討ください。
すでに整形外科に通われている方は、通院を続けながらご相談いただけます。 当サロンから、お薬や治療内容の変更をおすすめすることはありません。
痛い場所は「被害者」かもしれません
一般的に考えられること
膝の痛みや動かしにくさには、関節、軟骨、靭帯、筋肉など、 さまざまな要素が関係することがあります。 年齢や体重、活動量、過去のけがなども関わるとされています。
膝が腫れている、水がたまっているような感じがある場合、 関節内に炎症が関係していることがあります。 これは画像検査や診察でなければ判断できません。
痛みは、体からの「お知らせ」でもあります
もう一つ、知っておいていただきたいことがあります。 痛みの強さは、傷んでいる量とそのまま比例するわけではない ということです。
痛みは、体を守るために脳が出している警告のようなもの、と考えられています。 火事が終わっているのに、火災報知器だけが鳴り続けていたら困りますよね。 長く続く痛みには、それに似た面があると考えられています。
痛みが長引くと、神経が刺激に敏感になり、 本来なら痛くない動きでも痛みを感じやすくなることがあるとされています。 検査で大きな異常が見つからないのに痛みが続く場合、 こうした背景が関わっていることがあります。
当サロンで確認する視点
当サロンでは、痛みが出ている膝だけを見るのではなく、 「なぜ膝が、そこまで頑張らなければならなくなったのか」を確認します。
痛みの原因の一つは、体に染みついた「かばい癖」だと考えています。 どこかがうまく動かないと、別の場所が代わりに頑張ります。 その頑張りが長く続いた場所に、症状が出ていることがあります。
つまり、痛い場所は「被害者」の側かもしれない、ということです。
膝が痛いのに、なぜ足首や骨盤を見るのか
施術中に、こうお尋ねいただくことがあります。 「痛いのは膝なのに、どうして足首や骨盤を触るんですか」と。
一人が休んだ分を、誰かが働き続けている
職場を思い浮かべてください。 一人が休んだ分を、ずっと同じ人が代わりに働き続けていたら、 その人に負担が集中しますよね。
そのとき、負担が集中している人の働き方だけを変えても、根本的には楽になりません。 休んでいる人が、また働けるようになることが必要です。
体も同じだと考えています。 足首や股関節が十分に働けないと、その分まで膝が頑張ることがあります。 だから当サロンでは、「痛い膝をどうするか」だけでなく、 「膝が代わりに何の仕事をしているのか」を見るようにしています。
ほぐすことと、動きを取り戻すこと
痛いところをほぐすと、その場は軽くなります。 ただ、しばらくすると戻ってしまう。 そういうご相談をいただくことがあります。
ほぐすことと、動きを取り戻すことは、目的が違います。 当サロンでは、痛い場所をほぐすことを目的にしていません。 かばい癖そのものが減っていくことを目指しています。
ただし、足元が原因だと決めるわけではありません
足の指、足首、足裏の接地などは、体重を最初に受ける場所です。 ここに左右差や動きにくさがあると、 その影響を膝や股関節が補っていることがあります。
とはいえ、足元に問題があるから膝が痛い、と最初から決めるわけではありません。 実際に動きや左右差を確認し、整えた後に膝や全身の反応が変わるかを見て判断します。
仮説を立て、整えて、もう一度確かめる
「足首が原因です」と決めつけることはしません。 当サロンが確認しているのは、施術の前後で体の反応がどう変わるかです。
足首や骨盤を整えたあと、 まだ触れていない膝の動きや、立ちやすさ、肩の動きなどを再確認します。 そこで変化が出れば、そこが膝への負担に関係していた可能性を考えます。 変わらなければ、別の場所を見ます。
仮説を立てる、整える、再検査する。 当サロンでは、この繰り返しでその方の体を見ていきます。
触れていない場所が変わることがあります
たとえば、膝のご相談で来られた方の首や肩の張りが、 足元と骨盤を整えた段階で軽くなることがあります。 首や肩には、まだ触れていません。
こうした反応は、 その方のかばい癖が下半身から積み上がっていた可能性を考える手がかりになります。 はじめに考えていた見立てと違う反応が出ることもあり、 その場合は見方を途中で変えていきます。
どんな検査をするのですか
まず体全体に軽く触れます。 そして、どこが休んでいて、どこが頑張りすぎているのかを探していきます。
痛みはほとんどありません。服のまま、やさしく触れるような検査です。 強く押したり、勢いをつけて動かしたりはしません。
実際に確認していく順番
当サロンでは、膝の症状であっても膝から施術を始めないことがあります。 順番には理由があります。
| 順番 | 確認・調整すること | なぜ、そこから見るのか |
|---|---|---|
| 1 | 立ち方と体重のかかり方 | かばい癖が、どこに出ているかを先に把握するためです。 |
| 2 | 足元 | 体重を最初に受ける場所です。ここが休んでいると、上の関節が代わりに働きます。 |
| 3 | 股関節・骨盤 | 膝の上にある関節です。動きが乏しいと、膝が代わりに動くことがあります。 |
| 4 | 膝そのもの | 後半に扱います。痛みが強い場合は、初回は触れないこともあります。 |
この順番は決まりきったものではありません。 途中の再検査で反応が変わらなければ、順番も見立ても変えていきます。
痛みの数字だけでなく、生活の変化を見ます
膝の状態を確認するとき、痛みの強さだけを伺うと、 変化が分かりにくくなることがあります。 当サロンでは、次のような点も一緒に確認しています。
- 痛みが出る頻度が減っているか
- 痛みが続く時間が短くなっているか
- 階段、しゃがむ、正座など、できる動作が増えているか
- 歩ける距離や、外出のしやすさが変わっているか
- 調子の良い日の割合が増えているか
「やりたかったこと」を取り戻せているか
そしてもう一つ、痛みが0になったかどうかよりも大切にしていることがあります。 その方がやりたかったことを、取り戻せているかです。
- 買い物へ行けた
- 階段を手すりなしで下りられた
- 旅行に行けた
- お孫さんと出かけられた
初回に、こうした目標を伺っています。 そこへ近づいているかどうかが、当サロンにとっての確認の基準です。
かばい癖が減ってくると、頑張りすぎていた場所が休めるようになり、 体が動かしやすくなってくることがあります。 次にいらしたとき、 「朝起きた瞬間、体が軽くて、思わず笑っちゃいました」と 教えてくださった方がいらっしゃいました。
※ こちらは一例です。感じ方や変化には個人差があります。 一度で変化を感じる方も、時間がかかる方もいらっしゃいます。
自宅では、原因探しより「左右差」を確認
強く伸ばしたり、痛みを我慢して動かしたりする必要はありません。 ご自宅でしていただきたいのは、 治すための運動ではなく、ご自分の左右差に気づくことです。
自宅でできる簡単な確認
- 椅子に座って、左右の足首をゆっくり反らせてみてください。 「右は楽だけど左は硬い」などの左右差がないか確認します。
- 次に、立ったときに左右どちらの足へ体重を乗せやすいかを感じてみます。
これだけで原因が分かるわけではありません。 ただ、膝以外にも左右差があることに気づくきっかけになります。 それが、あなたのかばい癖のヒントかもしれません。
気づいた左右差は、初回にお伝えいただけると参考になります。 痛みや腫れが強くなる場合は、すぐに中止してください。
変化がなければ、見立てを変えます
足元や骨盤を整えても、膝の違和感が残ることがあります。 正直に申し上げると、これは珍しいことではありません。
長い期間、かばい続けてこられた場合、 一度の施術ですべてが戻るわけではありません。 そのようなときは、次のような点をあらためて確認します。
- まだ確認できていない場所が残っていないか
- お仕事や生活の中で、同じかばい方が繰り返されていないか
- 医療機関での確認が必要な状態が隠れていないか
変化が見られない場合に、通う回数を増やすことをおすすめするのではなく、 見立てそのものを見直すことを大切にしています。 整体で対応できる範囲を超えていると考えた場合は、その旨をお伝えします。
よくある質問
どんな検査をするのですか?痛くありませんか?
まず体全体に軽く触れて、どこが休んでいて、どこが頑張りすぎているのかを探していきます。痛みはほとんどありません。服のまま、やさしく触れるような検査です。強く押したり、勢いをつけて動かしたりはしません。
膝が痛いのに、膝を触らないことがあるのはなぜですか?
膝が、本来は他の場所がしている仕事まで代わりに引き受けている場合があるためです。この「かばい癖」を確認するために、足元や骨盤を先に見て、整えた後に膝の動きが変わるかで判断します。痛みが強い場合、初回は膝に触れないこともあります。
整形外科に通いながら、整体を受けても大丈夫ですか?
通院を続けながらご相談いただけます。当サロンから、お薬や治療内容の変更をおすすめすることはありません。気になる点がある場合は、担当の医師へご相談ください。
何回くらい通う必要がありますか?
必要な回数や期間は、症状の経過や生活環境などによって異なります。初回に状態を確認したうえで、今後の見通しをご説明します。
まとめ
膝が痛いとき、膝そのものが悪いとは限りません。 痛い場所は、かばい続けた結果としての「被害者」かもしれません。
当サロンでは、痛みのある場所だけに原因を決めつけず、 膝の痛みについての考え方にもとづいて、 どこが休んでいて、どこが頑張りすぎているのかを探していきます。
階段を普通に下りたい。長く歩きたい。行きたい場所へ出かけたい。 そうした取り戻したい生活を伺いながら、確認する場所を決めていきます。
参考にした情報
- 慢性疼痛診療ガイドライン(慢性疼痛診療システムの均てん化と質の向上に向けた研究班 編)
- 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」
- デイヴィッド・バトラー/ロリマー・モーズリー『Explain Pain』
佐賀市・小城市・神埼市周辺の方へ
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LINEで相談する記事および施術に関する注意事項
- 本記事は一般的な健康情報と当サロンの施術方針を紹介するもので、診断や医療行為を目的としたものではありません。
- 症状が急に現れた場合、強くなる場合、神経症状や発熱などを伴う場合は、整体より医療機関への相談を優先してください。
- 施術による感じ方や変化には個人差があります。
- 症状や状態によっては、施術を行わず医療機関への受診をおすすめすることがあります。
- 通院中の方は、必要に応じて担当の医師へご相談ください。お薬については処方された医師や薬剤師へご相談ください。

